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会社の契約も僅かとなったその月に、少しづつ荷物をまとめ始めた。そんなに、多くはない。
一月間休んで、また働き始める。誰も知らない土地で。その前に少し、母方の祖母の所へ行こうと決めていた。柊晴への名残惜しい未練のせいだけではなかった。
体調不良。
続く胃痛に、吐き気、体重が急に落ちたせいで生理も止まった。これが、良好な夫婦関係の先にあったなら違う理由も考えられたのだろうけど。
……ストレス。病院での診断結果はストレスによるものだった。少し、世間から離れて療養しようと思っていた。
私は、こうなっても自分の幸せを放棄したわけではない。いずれはまた結婚して、子供も授かりたい。その為に、少し療養が必要だった。
「考え直す気はないのか? 」
私の部屋のドアにもたれて、柊晴がそう言った。
首を横に振った。
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