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総一朗の姉の桃子は、私とは年が近い事もあって仲が良い。総ちゃんと桃ちゃんは7つ年が離れている。
「今時の30っていったら、全然よ」
笑ってそう言うと
「おばあちゃんの時代では、考えられないけどね」
祖母がそう付け加えた。全く……。そうなんだろうけど。
「ばあちゃんは? じいちゃんとどうやって知り合ったの? 」
総ちゃんは山盛りのご飯を既に平らげて、大皿を引き寄せた。
「お見合い。それだけで結婚を決めちゃう時代だったのよ」
「んー、でもそれで上手くいってんならいいよね」
「そうねぇ、うるさいじいさんで、一人は気軽でいいけど、灰になっちゃうと寂しいわね。たまに、くらいならうるさくても良かったわねぇ」
そう言って、横の仏壇の祖父の写真に目をやった。
「……聞いてるわね、絶対」
そう言って、チーンと鐘を鳴らして手を合わせた。
「まぁ、そのお陰で俺達がいるんですけどね」
総ちゃんが笑った。
「あ、今んとこ俺が一番若い」
そう言って、チラリと私を見る。
それを察した祖母が
「曾孫見れるくらいに長生きしなくちゃ」
そう言った。
年寄りからのプレッシャーはなかなか……。
「総ちゃんの方が早いんじゃない? 」
無理矢理そっちへ話を振った。
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