22.過去へ

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 総一朗の姉の桃子は、私とは年が近い事もあって仲が良い。総ちゃんと桃ちゃんは7つ年が離れている。 「今時の30っていったら、全然よ」  笑ってそう言うと 「おばあちゃんの時代では、考えられないけどね」  祖母がそう付け加えた。全く……。そうなんだろうけど。 「ばあちゃんは? じいちゃんとどうやって知り合ったの? 」  総ちゃんは山盛りのご飯を既に平らげて、大皿を引き寄せた。 「お見合い。それだけで結婚を決めちゃう時代だったのよ」 「んー、でもそれで上手くいってんならいいよね」 「そうねぇ、うるさいじいさんで、一人は気軽でいいけど、灰になっちゃうと寂しいわね。たまに、くらいならうるさくても良かったわねぇ」  そう言って、横の仏壇の祖父の写真に目をやった。 「……聞いてるわね、絶対」  そう言って、チーンと鐘を鳴らして手を合わせた。 「まぁ、そのお陰で俺達がいるんですけどね」  総ちゃんが笑った。 「あ、今んとこ俺が一番若い」  そう言って、チラリと私を見る。  それを察した祖母が 「曾孫見れるくらいに長生きしなくちゃ」  そう言った。  年寄りからのプレッシャーはなかなか……。 「総ちゃんの方が早いんじゃない? 」  無理矢理そっちへ話を振った。
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