23.繋げるもの

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 それからしばらくは、祖母の手伝いをし、ゆっくりさせて貰っていた。  うずくまるほどの胃痛も治まり、薬が切れても大丈夫なほどになってきた。叔父と叔母もたまには様子を見に来てくれていたし、卒業が決まって暇をもて余してた総ちゃんは結構な頻度で来ていた。  ……いつまでも子供でって叔母さんは心配してたけど、この感じが懐かしくて楽しかった。 「光姉ちゃん、ちょっと遠出するけど、行く? 」  車のキーをくるくる回しながら総ちゃんが言った。 「え、運転出来るの!? 」 「あのなぁ、俺もう免許取って4年以上経つっての」 「あ、そうか……」  いつまでも子供だと思っている自分に年をとったなと、苦笑いする。  このあたりは小売りが沢山あって日常の生活には困らないけれど、大きな買い物なんかは車がないと厳しい。 「行っておいで、はい、これ」  そう言って、買い物のメモと現金を手渡される。 「え、いいよ。お世話になってるし……」 「孫に世話になる気はないわよ」  そう言って無理矢理渡された。結構な量の買い物リストに総ちゃんが吹き出した。 「ばあちゃん、こまめに頼んでよ。めちゃくちゃあるじゃん。ここぞとばかりに」  総ちゃんの言葉に祖母が少し照れた。 「じゃ、行ってきます」  そう言って、総ちゃんの車の助手席に乗り込んだ。 「ばあちゃん、遠慮してんだぜ、普段。結局、頼む癖に」  総ちゃんがもう一度メモを見てそう言って笑った。 「総ちゃん、大学は? 」 「後は卒業式だけ。だから、当分こっちにいる。就職したら、また当分来れないからな」 「就職、あっちなんだ」 「そう、あ、光姉ちゃん案内してよ」 「大学もあっちだから、必要ないでしょ」 「微妙にまだ田舎モンだよ。映えたカフェとか」 「あはは! 女子か」 「女子向けがいいんだよ」 「あ、彼女出来たんだ」 「逆! 就職してから作る。モテたい」 「あは、あはは! 真っ直ぐだ、気持ちに真っ直ぐ過ぎる! 」 「ま、また案内よろしく~」  そう言って、笑った。  そうかぁ、総ちゃんも大人になったもんで。……この発想が私も……随分な大人になっちゃったな。
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