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部屋で一人になって考えた。
……引き算?腫れ物?
結婚を反対された?頼み込んでた?柊晴が?結婚することを?
……なぜ?
知らない。そんな事。私は全く知らなかった。
『柊晴兄ちゃんとは? どうやって知り合ったの? 』
『ん、友人の紹介』
『……あれ? ふーん……ベタなやつだ』
あれ?
『そう。たぶん。だけどね』
思わずそう言ってしまった。
それは、今となれば春香がどういうつもりか、分からないから、それを自虐的につい言ってしまったのに
それに対して、総ちゃんは疑問を持たず、いえ、総ちゃんの疑問は私の思っているのと違った。
『ああ、そのへんは覚えてないんだ』
そう言った。私は何も知らなかった。だけど、知らなかったのは総ちゃんの言う通り……覚えてないから。
“たぶん”私がそう言った事で総ちゃんは、私は覚えてないことを、知っていると……思ったんだ。それで、私に話してしまった。
これが、当たってるとしたら……私の考えが、当たってるとしたら?
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