24.過去の筆跡

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 翌朝、寒さで目が覚める。  暖房は強めにしたけれど……暦上は春でも寒い。今日は布団が届く。それに、荷物も。少しずつ、ここでの生活の基盤も出来てくるだろう。  スマホ……は、充電切れてる。充電式のコードを繋いで、しばらく待って電源を入れた  瞬間、着信。切れて、また、着信。こんな、早朝に?何かあったのかと、画面を確認する。  ……柊晴だ。 「……はい」 『光! ああ! 今、どこだ!? 』 「……どうしたの? 何かあった? 」 『……いや、無い』  無い?物凄く慌てて、こんな時間に電話してきたのに? 『……どこに、いるんだ? 』 「……言わないわよ」 『……そうか、ああ、えっと……』 「誕生日まで、会わないんじゃなかったの? 」 『……いや、そう……だ。……会って、くれるのか? 』 「少し、整理したいの」 『約束だ、会うって。……でないと……』 「離婚届は、私が持ってるの」 『無駄だね』 「……無駄? 」 『離婚届不受理申出してる。だから、出しても受理されない』  ……何の為に?……何の?  それは……“離婚したくない”から、だとしたら?
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