26.未来への約束

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『私も、柊晴に聞きたい事がある』 「今、聞けばいいだろ。すぐにでも……」 『ごめん、充電が切れる』 「絶対だ、絶対だからな。誕生日、マンションの前、7時。必ず」 早口でそう言った。これ以上は、待てない。光の聞きたいこととは、総一朗が言ってたことだろう。信じたい、この、約束は守られると。  信じたい。今、俺達が繋がるのはお互いのスマホだけ。  それが切れると全くどうしようも、ない。だけど、『聞きたいことがある』 光はそう言った。今聞かずに、約束の日まで持って行く気だ。  約束がある。その先はまだ、決まっていない。それは“約束の日”によって決まるのかもしれない。だとしたら、もう二度と……俺は……。 スマホを、強い決心とともに握り締めた。
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