27.|永遠《エタニティ》

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 私は“今”の柊晴を……愛している。  マンションの前には、随分早く着いた。だけど、分かっていた。柊晴は、絶対にもうそこにいると。  柊晴は、待ち合わせには必ず先に来ていた。どうしても私を待たせる時は店の中で待つように、そして、必ず店まで迎えに来てくれた。単に過保護で、心配性で、紳士だなって……思ってた。なぜ、柊晴がそうなったのか今なら……わかる。 「信じてた」  私が目の前に立つと、柊晴がそう言った。 「私は……信じられていなかった」  そう言った。 「俺の……せいだな」 「私の……せいでしょ」  お互いそう言って笑った。 「あ、7時の待ち合わせ、間に合う」  柊晴にそう言った。 「え? もう……」 「行きたい所があるの、来て」  そう言って、柊晴の背中を押した。話さないといけない事は、沢山あって、先ずは向かった。道のりで察したのだろう。柊晴の足取りが重くなった。いくらゆっくり歩いても、マンションからそこまでの距離で“約束の7時”に着くには十分だった。早く着きすぎた、私達にとっては。  重量感のある、木のドアをそっと開けた。一歩踏み入れる私に、柊晴が続く。  いつかの逆。だけど今日は二人一緒だ。 カラン  柊晴の体が全部店内に入るとドアは静かに閉まり、ドアベルがもう一度、心地好く響いた。  それからは……静かに店内を、確認した。
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