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「言ってくれなきゃ、分からないじゃない! 」春香がそう言うと、京也くんが、ムッとしたように口を開く。
「俺が店の時、柊晴が家にいんの、おかしいだろ。分かってるけど……分かってるけど……家で二人の時にシャワー浴びてんのとか! いい気は……しねぇ……し……」
穏やかな京也くんの、乱れた言葉遣い。語尾は随分と小さくなった。
「あー……悪い、京也。それは、そうだな。でもな、シャワー浴びてないわ。洗面所で頭洗ってただけ」
柊晴がそう言うと、今度は京也くんが赤くなった。
「……後は、二人で、やれ」
柊晴が笑ってそう言った。
「それとも、10分、目ぇ瞑っといてやろうか? 」
「柊晴! お前っ! 」
春香がそのやり取りを、物凄く嬉しそうに見ていた。それから
「あ、ねぇねぇ、今からつくれば、同級生間に合うよ! 」
なんて、言うものだから、私も赤くなった。
「マジ!? いいな、それ! 」
食い付いたのは、私の夫。
「楽しそうだな」
京也くんまで、そう言った。
「効果テキメンだったよ! 伊勢神宮の子安神社」
別行動の後に、参拝したのか、子供、欲しがってたもんな。
「行こうか、光! もう一度! 」
柊晴の言葉に
「え、今は伊勢海老解禁じゃないでしょ? 」
そう返すと
「そうだった。そうだった。光って……こんな子だった」
春香が呆れたようにそう言った。
「私が食べ物の話したら、笑ったくせにぃ」
そう言ってからかう。
「本当、変なとこでクール」
柊晴がそう言って
「だけど、そんなところも……」
そう付け加えると
「……後は、二人で、やれ」
今度は京也くんが、そう言った。
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