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「香水、買いに行ったのよ一緒に。鍵忘れたから時間潰すの付き合ってくれて。だから、伊東くんの買った香水を試しただけよ」
「あいつのが移ったんじゃなくて……? 」
「私に、つけたの」
はぁ~と、大きなため息をついて、私を睨む。
「大体なぁ、光が……いや、いいや」
「柊晴からも、いつもいつも春香の香水の甘い香りがしてたわよ」
「髪セットして、メイクしてもらってた……から。……それ、疑って……たのか? 」
「……考えてみれば、柊晴から甘い香りがしてたのは……いつも、水曜日だった」
「……あー……バカだな」
「本当、バカ」
「好きな事を言わせて貰う。だから、今度からは言いたい事は、その場で言って」
「うん」
「好きだ」
「え、ああ、うん」
「好きだ」
「うん」
「好き、だ」
「あはは、何回言うの、分かったから」
「“好きな事を言わせて貰う”って、言っただろ? 」
「え、あ、何それ」
その、表現に笑う。言わなくても分かる、柊晴の目は、私を好きだって言ってる。
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