31.光

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────── ────  生まれて初めて、“一目惚れ”をした。それまでは、こう思っていた。“一目惚れ”って要は、顔がどストライクだっただけだろう?  あながち、間違いではない。だけど、大きな隔たりがある。そんなんもんじゃない。  そこから、動けなかった。眼球さえ、稼働しない。それほどの衝撃。  その相手は立ち上がり、目の前をトレーを返しに俺の前を通りすぎる。それは、もう一度俺の前を通るということだ。外への通路はここしかないのだから。  彼女が前に来ると、気がつけばそれ以上進むのを遮っていた。  彼女を探していた。あの時のあの日出会った光を。  今でも愛してる。彼女を。眩しい程に晴れた、サラリと乾いた日だった。
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