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「まだ早くない? 」
結局、光にはこう言われる事になった。
「良いだろ? このテンションのまま書きたいんだから」
それにしても薄い。テーブルの木目が透けるほどに。
その薄い紙を広げて、並んで座った。その婚姻届を書く光の横顔に何度もキスしては怒られた。
「もう! 書けないでしょ」
書けないのは困る。書き終わった光がペンを置くのを見て何度もキスをした。
「ねぇ、この1年で気が変わっても知らないわよ」
「変わるわけないだろ? 」
「変わったとしても、婚姻届、勝手に出しちゃおうかな」
「嬉しいだけだ、バーカ」
必ずその日に出すように、来年のその日の日付も書き込んだ。待ちきれないほど先に感じた。
これを二人で出す。そんな日が来ることを疑う事は無かった。
大切に大切に……その紙を指輪の引き出しに入れた。
その日が来るまで。そう思っていた。
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