4.再建

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「それ、俺も……ついて行っていいか? 」  振り返ると、そこに……力無く微笑む柊晴がいた。ただ、首を横に振った。 「俺が……仕事を辞めても構わない」  彼がどれ程、今の仕事に尽力して来たか私は知っている。ただ、繰り返し首を横に振った。 「光の居る場所が、俺の居場所なんだ」  私を見る柊晴の目に……嘘はないと……思いたい。 「ここでも、ここじゃない他の場所でも、例え4年前でも! ……俺の居場所は光なんだ! 」  何時もは穏やかな彼の、大きな声。怒りのような、落胆のような……そんな目で私に少し近づく彼に、身体が強張って動けなかった。
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