2187人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前、病院へ行け」
春香から聞いたのだろう。京也がそう言った。
「嫌だね」
「お前、どんな顔してるか……」
そう言って俺の腕を掴む。
「……悪いが京也、俺にそんな時間はない」
肘を振って、京也の手を振りほどいた。
「本当にヤバいと思ったら引きずってでも連れて行くからな」
返事もしない俺に続けた。
「来いよ、店に。春香と打ち合わせもしなきゃならないだろう? 」
「そうだな、早く、早くしないと」
京也に詰め寄ると、京也は呆れたようにため息を吐く。
「……お前に取って光ちゃんって一体どんな存在なんだろうな」
どんな?
「何よりも……大切だ」
「だったら、自分も大事にするんだな。お前に何かあったら……柊晴、光ちゃんにその気持ちを味合わせたいのか? 」
……いや、光には
「ああ、そうだな」
絶対にこんな思いは、させたくはない。
「店に、顔を出せ。分かったな」
「ああ」
最初のコメントを投稿しよう!