36.出会い

7/10
前へ
/440ページ
次へ
 翌日の夜になって春香から連絡があった。  首尾は上々。 『だから言ったでしょ? 大丈夫だって』  自信たっぷりで、満足そうに春香は言った。  春香がいなければ……俺達はどうなっていたか分からない。ただぼーっと脱け殻のように過ごす俺に気づかせてくれた。光に寄り添えるのは……俺だけだと。感謝してもしきれないほどだ。 「一先ずは、良かったな。無理はするなよ」  京也が俺にそう言った。  良かった。そうだな。良かった。  予定通りだ。友人の紹介で始まる交際。こっちはとっくにその気な訳だ。真面目な出会いであるのだから、1年で結婚しても何の問題もない。光に取っても。
/440ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2187人が本棚に入れています
本棚に追加