37.結婚生活

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 再び“恋人”になったタイミング、再びプロポーズしたタイミング、光が親に俺の事を話したタイミング。それに合わせて、何度でも光のご両親へと会いに行った。頭を下げて「結婚させて下さい」そう言った俺に 「頭を下げるのは、こちらの方です。光を宜しくお願いします」  遂にご両親も認めてくれた。もう一度、光の祖父母宅へも足を運んだ。光の祖父母宅へ報告に行くと 「良かったわね」 「いや、本当良かった。心配かけてごめん」  なぜかこの人の前では取り繕えなくて、そう言ってしまった。 「ご飯食べて行きなさい」  そう言って、大量の食事が用意された。寡黙な義祖父が酒を飲むと少し饒舌になった。 「意地になってるんじゃないか? 」 「多少はね、だけど……譲れないんだよ」 「そりゃあ、女ってのは面倒臭いぞ」 「あー……そうかもね」 「だけど、男ってのは……そう出来てるんだ。あれ無しでは……なぁ? 」 「俺も、光無しでは……そう思うよ」  いつの間にか参戦していた、従弟の総一朗が 「いいなぁ」  そう呟いた。 「羨ましいか? 誰かを想うのは幸せだぞ」 「いや、想われたい」 「何だ、そっちかよ」 「モテたいもん、俺」 「はは! まだまだだな、それすらどうでも良くなる! 」 「柊晴兄ちゃんはモテたから、そう言えるんだよ」 「……そこは否定はしない」 「腹立つなー」  しばらく男同士で下らないことを話した。それを義祖母が呆れたように聞いていた。
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