42.永遠の誓い

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 もう一度、プロポーズを味わえる幸せ。  光の左手の薬指に用意していた“エタニティリング”を通した。夫婦である証のマリッジリング。その上に過去のエンゲージリング。その上にエタニティリングが重なる。  重なる順序が普通と違うのが、何より俺達らしい。 「エタニティ……リング? 」 「ああ、これなら普段につけられるだろ? 」 「え、もったいない……」  やっぱ、そう言うか。それもまた光らしい。 「ふっ、しといて。頼むから」 「エタニティリング……素敵ね。ありがとう、柊晴」 「『永遠に、俺と一緒にいて下さい』そう言った」  あの日のプロポーズを光にもう一度。 「私は『はい』って……言ったのね? 」 「ああ。“永遠(エタニティ)”の意味は“未来”だけじゃないんだ」 「未来……だけじゃ、ない? 」 「過去も、生まれる前の過去から、今、未来永劫、この世を去ってからの……未来も含め……それこそ、無限に。それが……“永遠”だ」 「過去も、未来も……?」 「“今”、も。だから、永遠に…俺と一緒にいて下さい」 「……はい」  今、もう一度年月を経て、同じ言葉を贈る。前世と言われる物があったなら来世と言われる物があったなら……未来永劫。  4年前も3年前も、きっと何度会っても光に一目惚れをする。……光を愛する。どんな光でも。……永遠に……。
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