43.未来へ

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「だいたい柊晴がこんなに格好良くなかったら、疑わなかったのに。1年もつまらない時間過ごしちゃった」 「疑う? 春香のか? 」 「結婚までスムーズ過ぎた」 「式場予約してましたので、巻きで行きました」 「上手く行きすぎた! 」 「はは! 1年拗れたんだから、もういいだろ? 」 「……そもそもこんな素敵な人が私を好きになる? とか思って……」  バカらしくなって俯く。柊晴が私の肩を寄せて 「何て? 俺……」 「柊晴は格好いい」 「……そうか? 光の前だと格好悪いぞ? 」 「……本当だ」  柊晴は片まゆを少し上げたけれど……。 「でも、それでシートマスクしてるのか」 「そう、若返り。そして綺麗になりたい。柊晴と……釣り合……」  そこからはシートマスクを半分捲って続きは言わせて貰えなかった。冷たいシートの代わりに柊晴の暖かい唇が触れる。 「うぇー、まっず! 」 「うん、美容液1本分だからね」 「……こんなのは、俺が出張中にでもしてくれよ」 「出張なんて、滅多にないじゃない」  そう言う私に、柊晴は気まずそうに、笑った。 「外していい? 」 「もう半分外してるでしょ? 」 「じゃなくて、こっち」  スルリと私の背中から手を入れた柊晴が、ゆっくりと私をソファに倒した。 「今出来たら同級生か……」  なんて、一人言を言いながら。……それにしても柊晴は、色々と下手くそだった。絶対に浮気出来ないタイプね。  ……絶対に、浮気なんてしない……タイプね。微笑む柊晴に、私も顔が緩んだ。
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