43.未来へ

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「趣味が悪い! 泣くだろう! 」  まだ唇を震わせながら柊晴が私に抱き付く。 「同級生~」  なんて、他に言葉はないものか。  顔を上げると 「言ってみたい台詞がある」 「何よ」 「俺の子? 」  バシッと小気味いい音が響いた。 「……いや、だって本当に……子供が? いる……のか……俺……」  パタパタと涙が落ちる。 「はいはい、分かったから、泣き虫ね、柊晴。父親になるのよ」 「ああ」  腕に力を込めた柊晴が……慌てて腕を緩めた。 「寝てなくていいのか! ?  あ! えっと、布団! 」 「病気じゃないってば」  私がそう言うと、嬉しそうに笑って 「……生きてて……良かった」  そう言って、また、泣いた。 「……病院一人で行くなよ」 「今度はついてきて」 「俺の子だからな! 」 「さぁ、どうかしら……」 「……光の子なら愛してる」 「……私も柊晴の子を愛してる」  こんな幸せがあるなんて、生きてて良かったとそう思う。  時々、空を見上げる柊晴は何を思うのだろう。そこから私に目を合わせる。 「嬉しいな。こんなに、嬉しいんだな」  今度は私の涙が止まらなくなった。
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