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「趣味が悪い! 泣くだろう! 」
まだ唇を震わせながら柊晴が私に抱き付く。
「同級生~」
なんて、他に言葉はないものか。
顔を上げると
「言ってみたい台詞がある」
「何よ」
「俺の子? 」
バシッと小気味いい音が響いた。
「……いや、だって本当に……子供が? いる……のか……俺……」
パタパタと涙が落ちる。
「はいはい、分かったから、泣き虫ね、柊晴。父親になるのよ」
「ああ」
腕に力を込めた柊晴が……慌てて腕を緩めた。
「寝てなくていいのか! ? あ! えっと、布団! 」
「病気じゃないってば」
私がそう言うと、嬉しそうに笑って
「……生きてて……良かった」
そう言って、また、泣いた。
「……病院一人で行くなよ」
「今度はついてきて」
「俺の子だからな! 」
「さぁ、どうかしら……」
「……光の子なら愛してる」
「……私も柊晴の子を愛してる」
こんな幸せがあるなんて、生きてて良かったとそう思う。
時々、空を見上げる柊晴は何を思うのだろう。そこから私に目を合わせる。
「嬉しいな。こんなに、嬉しいんだな」
今度は私の涙が止まらなくなった。
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