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エピローグ
柊晴は、私が運ばれた時の記憶がないらしい。それほどショックだったということだ。
春香が
「教えてあげるわよ」そう言うと
「忘れたいから、忘れてんだよ!」
今はそう言い返してる。
忘れた時は、一緒に時を刻む、誰かが教えてくれる。
「忘れてもいいよ、何回でも言うから」
“愛してる”そう言う柊晴に
「大丈夫よ、何回でも、好きになるから」
“愛してる”私もそう言う。
私は、この人を人生の伴侶に選んだ。だけど、忘れてはならない。同時に私は、この人から人生の伴侶に選ばれた事を。世界でたった、一人。
私は失くしてしまったけれど、確かに存在したその過去は……柊晴の中に在る。人の気持ちは変わる。だけど、誓う、今。未来を誓えるのは今しかないのだから。
永遠に……“愛する”事を。
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