かかってこいよαども

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かかってこいよαども

 突然の不調に襲われ気が付くと病院に運ばれていた。 『君はΩだね』  何言ってんだコイツ? 俺はそんな高級な時計持ってねぇよ。 『君は……何も知らないのかい?』  悪いか? 呑気にお勉強なんかしてたらパンすら食えねぇんだよ。 『ではイチから説明しよう。君はーー』  医者どもの話は長くて意味不明だ。  Ωは繁殖する為の存在だとよ。  へぇー。俺でもガキが産めるのか。  まぁ、悪くないな。それなら確実に“俺の子”だ。 『発情期はなるべく外出しないように』  ふざけんな。それでどうやって飯にありつけるんだ? 『Ωの出すフェロモンに誘惑されたαに襲われかねない。君も発情期はそれ以外の事が出来なくなる。大人しく家にいるのが賢明だ』  この俺が、襲われるだと?  お前の目は節穴か。成り上がる為に毎日鍛えてきたんだ。  俺を倒せる奴は俺しかいねぇよ。 『待つんだ。まだ話が終わってない。定期的にここに来なさい。申請を出せば無償で薬や診察が受けられる。だからーー』  そんなもん必要ねぇ。  俺は俺のしたいように生きる。
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