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「三神くん、私が雨に濡れないか心配だったんだろうな」
着替えが終わり、ベッドへと倒れ込んだ私は、思いっきり伸びをした。
「三神くんの方こそ濡れてそう。ほっといてくれても良かったのになあ」
でも、結構な量の雨だったから、感謝の気持ちしか出てこないわけですが。
リビングへ行くと、お姉ちゃんがクッキーが入った袋を宙に浮かせてこっちへと寄こしてきた。
「ゆめも食べなよ」
「うん、ありがとう」
さて、タオルが浮くだの、袋が浮くだの、時間を止めるだの言ってるけど、私の家ではこれが普通。
父は一寸法師の子孫の家系だと言うけど、母の方は、超能力者の多い家系なの。
お母さんは、時間を止める事が出来て、お姉ちゃんは物を浮かせる事が出来る。
それで、弟は音速……っていうのかな?
とても早く走る事が出来る。
じゃあ、そんな私は──
何も出来ない。
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