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仲直り
私は玄関で靴を脱ぎ、リビングの扉を開けた。
ソファーに座って、こちらに背を向けていた彼がそっと振り向いた。
「お帰り。今、ちょうど紅茶が入ったところだったんだ。
一緒に飲もう」
彼はそう言いながら立ちあがり、私の手を取った。
(さっき、喧嘩をしたこと、忘れちゃったのかしら?)
彼は元々、温厚な性格で、喧嘩という喧嘩にはならず、私が一方的に怒鳴る…。
今回も同じ状況だった。
でも、私は彼の手を振り払うことが出来ず、彼に導かれるまま、ソファーに腰を下ろした。
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