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第一章
幼い頃から、人を見る目と腕っぷしだけは
鍛えられてきた。
ここは様々な種族が集まって１つの国を
なしている場所、多種族連合国家。沢山の
種族を抱えるこの国は、種族の様々な違いを
受け入れ、割りと平和な国だった。
そう、“だった”。
５年前、隣国の魔法国家に蹂躙されかけた
この国は、現在戦の名残が日常に思える程
衰弱していた。
そして今日、この国は転機を迎える。
「聞け、我が連合国の愛しき民よ！私は
本日をもってこの国の王となった獣人、
名をウルガ！」
突如国に響き渡った声に魔法使いも
人も獣人も、皆が顔をあげた。
今日この国は、連合国家ではなく王国と
して生まれ変わるのだ。そしてこのウルガ
こそ、その初代女王だ。
「５年前、我が国は隣国の蹂躙により
壊滅の危機に瀕した。だが、安寧を奪うこと
を良しとせぬ貴方達勇敢な国民により、
侵略の危機は免れた！！」
「女王陛下、喉つぶれますよ。」
「黙っておれこのくらいで潰れるか。」
そばに控えていた執事の言葉を一蹴して
女王はまた声を張り上げる。そんなこと
しなくても各地にある魔法道具で国中に声が
響き渡っているのだが。
「我が国をもう一度建て直す！その為に
私を王にしてくれたこと、本当に感謝する！
そしてこれよりその女王は、初めて権限を
使って我が民に命じよう！！」
一度言葉を切った女王は深く息を吐き、
そして勢いよく吸い込んで叫んだ。
「この国には強い王が必要！故に最強たる
私が選ばれたが…正直めんどくさいので
私を倒したやつを次の王にするっ！！」
一瞬の間をもって国中からええええ！！？
という叫びが響き渡った。元気だな！
おっと紹介が遅れた。私はウルガ、この
国最強の戦士であり、元女王である。
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