我は猫になる

出会い

都会でも田舎でもない普通だと思うこの街。
古びたビルの隙間から赤くも橙色にも見える夕日が綺麗で見蕩れてしまった。
「おら、行くぞ。いつまでボーッとしてるつもりだ。」
優しくない声だが何故だか安心する。
男らしくて天才肌だけど純粋だから弄りたくなっちゃうんだよねー
「夕日…綺麗だね…」
もう1人は優しくて強い女の子。
幸せにしてあげたくなる。
この2人ずっとずっと続けば良いのに。
そう思いながら
「んねー、今日はステーキ食べたい。もちろん奢ってねー」
すると軽く殴られ「またかよ。っざけんな。貴様何ぞに何で毎回毎回奢らないけねぇんだよ。」
「ふえー痛ーい。」
僕は優しい優しい彼女の方に擦り寄り「可哀想にって撫でて？」と
彼女は安定の呆れ顔
彼はまた怒りだしたがこのやり取りが楽しくて楽しくて仕方ない。
スっと眩し過ぎる夕日が街一体を照らし始めた。
「明日など来なければ良いのに。」
そう呟いた僕に光は容赦なかった。