会った事あるよな?

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会った事あるよな?

海青は俺に黙って付いてきた。 今までの多弁を見てきたから、らしく無くてちょっと気持ち悪く感じる。 咲月に言われた通り猫カフェからステバは近く3分くらいで着いた。 店内はそんな広くなかったが、混んではなかったのですぐ注文する事が出来た。 が、一つだけ困った事があった。 フラペチーノ?なんじゃそりゃ? 訳が分からない。 「お、おい。海青は何にするんだ?」 「ピーチ イン ピーチ フラペチーノで」 「同じのを頼む。」 コイツ自分が何を頼んだか分かって注文したのか? テキトーに目に入った奴を注文したんじゃねぇだろうな 海青は飲み物を受け取り近くの椅子に座り俺も後を追うように正面に腰を降ろした。 「うまぁ☆」 早速呑んでいた海青に俺は問い詰めるような眼差しを送った。 「本題に入るけど…何であの時逃げた?」 「え?どういう事?」 「小学の時に会った事あるだろ、俺達。」 「あったっけ?」 美味そうに呑みながらとぼけ始める海青 イライラしてきたがグッと抑えた。 「少5の頃、お前にしつこく付きまとって来た野郎はいなかったか?」 「あー…」 やっと思い出してくれた。 彼の表情からそう感じた。 「逃げてないよ?」 「はぁ?明らかに俺の事避けてたよな?」 「避けてないし、用事があっただけだよ。」 「どんな用事だよ!」 「忘れた。」 「じゃあ、事故について詳しく教えろ!」 「…………」 いきなり難しい顔をして黙ってしまった彼にこれ以上問い詰める事は出来なかった。 海青は早い事に注文した飲み物を飲み干し、一息付いた。 「奏多くんにだって言いたくない事ぐらいあるでしょ?」 「あるけど」 「なら、もう終わり。」 海青は立ち上がりゴミを捨てに行った。 俺もその飲み物を呑むが甘ったるくて一気飲みするには胸焼けを起こしそうだ。 「奏多くんはコーヒー辺りを頼みそうだと思ったのに」 「え、コーヒーとかあったのかよ。」 「うん?普通にあるよ!」 「……もう一個飲むか?」 俺のを海青に差し出そうとしたが 「口付けたやつだよね?やだ」 「あ、はい。」 何も聞き出せなかったうえに注文した飲み物を早く飲み干そうとしてる。 自分は一体何しているのだろうか。 スマホでゲームを始めた奴は楽しそうにしてやがる。 それを見ている俺はまるで何かを対戦していて敗北したような気持ちになった。
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