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駅に付いた俺らは電車が来るのをイスに座って待っていた。
帰りラッシュは過ぎており人はあまりいなく少し気持ちが楽になっていた。
暇だしイヤホンで音楽を聴こうとしたが、海青がいつあの時について吐いてくれるか分からないのでやめた。
絶対に吐かないであろうがそういった期待は心の何処かにあったのであろう。
沈黙が続いたと思う。
あのいつも幸せマンな海青は頬ずえを付き眠そうにウトウトしていた。
が、いきなり思っても見なかった事を言い出したのだ。
「奏多くんはさ、親っているの?」
「いきなり何だよ。」
「いるの?」
「いるけど?」
「そうなんだ」
そう言うとまた黙りこくってしまった。
なんなんだコイツは。
何考えてるかさっぱり分からない。
目的の電車が到着し中へ入ってしまうと海青はすぐに眠ってしまった。
俺は諦めてイヤホンで耳を塞いだ。
気付いたら海青は居なくなっていた。
慌てて目で探して見るがアイツの姿は何処にも見当たらない。
窓をふと見る。
海青の家はとっくに過ぎていた。
アイツ降りる時何か言ってくれりゃ良いのにと思いながら目的地の駅で降り暗闇を歩いた。
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