光が差した日

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「おっそーい!!」 小学生?と思うくらい身長が小さく幼い顔をしたツインテールの女の子が文芸部の教室の前に立っていた。 「アンタが鍵持ち歩いてるせいで部長であるアタシが中に入れないじゃないの!」 その子は頬を膨らまし片足を地面に叩き付けていた。 「ごめん。また貴重品入れたから荒らされたら大変だと思って」 「荒らされんのはアンタが弱々しくてビクビクしてるせいでしょーが!!!」 「そ、それは…」 「司くんって妹系が好きなんだね〜」 僕は司くんの机に入っていたラノベ小説を読みながら文芸部の壁に寄りかかっていた。 「ちょ…違っ!」 司くんの顔が沸騰しそうな位に真っ赤になった。 「さーて、部活するかー…おい。鍵」 ツインテールの女の子の口調が一気に変わった。 「いや、勘違いしないで!僕はそんなんじゃ!」 「いーから。早く開けろよ。」 司くんはツインテールの女の子に汚らわしい視線を浴びながら鍵を開けた。 「何なのよ!このデカいソファーベッドは!」 「海青くんが欲しいって」 「はぁ?海青って誰よ!」 「僕の救世主かな」 司くんは照れたように頭をかいた。 「あの、さっきから黒板でうん○を何個も何個も書いてる奴?」 「って海青くん!?何書いてるの!?!?」 「ソフトクリームも上の部分。」 「何で?」 司くんが慌てふためくのをスルーし 満足いくまで書くとソファーベッドに腰を下ろしさっきの続きを読む事にした。 俺の妹が○○過ぎる件って表紙が凄い事になってるけどなかなか面白いね〜これ 「これはダメっ!」 司くんが本を取り返しバッグにしまってしまった。 「帰りに買って帰るか…」 「それも何か嫌なんですけど!」 「海青くん入部届よろしく〜早く書いてね!書いたらすぐ友達連れてきて! そしてこれを書かせろぃ!」 ツインテールの女は入部届の紙をたくさん持って僕に渡してきた。 「友達少ないんだけど?」 「人足りなさ過ぎて廃部のしそうなの。手伝え!」 「ちょっと、流石に人使い荒過ぎない?」 司くんが割って入って来た。 「そもそもアンタのせいで不良グループに目付けられ人が集まんないんでしょ!」 その言葉で司くんが涙目になっていた。 「はい。入部届!って事でまたねー」 具合が悪くなったのですぐ入部届を書き帰ることにした。 「おい。逃げんな。」 ツインテールの女の声が聞こえた気がしたが無視した。
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