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海青
弁当を食べ終え睡眠不足に抗っていた身体を休ませようとした時、担任の早池先生に呼ばれた。
ダルく重い身体を2階から長めの階段を降りていく。
白く綺麗めの職員室を見ると毎回「教室とエラい違いだなぁ」と思う。
お偉いさんがよく来るからと工事費にお金をかけてるらしい。
教室はまるでお化け屋敷なのになぁ。
ノックして扉を開いた瞬間早池先生が「おう。待ってた。」と手招きをしてきた。
「何でしょうか?」とダルそうな顔で言うと大量の紙の山を差し出された。
「これを叶井ん所へ届けて欲しいんだわ。」
叶井海青(かない みお)って、まだ退学してなかったんだ。
入学式は出たそうだがその後は留年するかしないかの追試だけ。
「何で私何ですか?叶井くんの家分かりませんよ?」
「えぇ?地図見る限り君が1番近いよ?」
近かったら小中一緒で顔馴染みしてる筈だし、何か妙な気持ちになったが
「分かりました。」と大量の紙の山を持ち教室へ戻った。
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