出会い

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帰りのチャイムが校内中に響き渡る。 大量の紙の山を見て隣り座る大人しい男子が声をかけてきた。「これ、叶井ん家に持ってくやつ?」 「そうだけど…」 「俺も付いてって良いかな、」 何で大して話した事も無い人と?なんて思ったが一見叶井に興味があるのだろうとすぐ気が付いた。 「叶井に会ってみたいの?」 すると頷いた。 夏が近づいてるのか5時になっても昼間なのではないかと疑わせる。 校舎を出て駅へ向かった。 「奏多くんは大丈夫?家逆方向だったりしない?」 「名前覚えててくれてたんだな。」と少し驚いたように呟いた。 少し間を空け「平気。俺ん家お前より2駅先だから」 そういえば同じ電車によく乗ってたのを思い出した。 「そうなんだ。」 駅まで付いたが私の相槌限で話は途絶えていた。気不味い… 車内へ乗り込み電車は走り出した。 中は帰りラッシュで人で溢れていた、当然のようにマナー違反する輩も出てくる。 こんなにも人で溢れてるのにバッグを椅子の脇に置き占領ときた。 ダルく一眠りしたいのに吊り革かぁ… 「はぁ…」溜め息が出てしまった。 ふと横を見る 奏多はイヤホンで音楽を聴き始め構ってくれそうになかった。 はぁ、辛い。
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