騒がしい朝

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「何で俺まで…」 海青からレインで場所指定があった。 (校門だと人多くて分かりづらいから、脇にある公園で待ち合わせしよ!奏多くんも誘って置いたからよろしく☆) 私と芽依はバッグを片手に公園へ向かった。 「海青って奴奏多とも仲の良かったんだな」 芽依が階段を降りながら喋り出した 「昨日会ったばかり何だけどね、何故か意気投合しちゃって」 私は不思議そうに返した 「奏多と海青って正反対じゃん?光と陰みたいな」 分かる気がする。 奏多は学校へ来るなりずっとイヤホンで耳を塞ぎ誰とでも絡もうとしない。 喋ったのだって昨日ので初めてだった。 階段から降り正面玄関へ向かうと下駄箱付近で奏多を見かけた。 「奏多くんも公園へ向かってる途中?良かったら一緒に行かない?」 私がこう言うと 彼は頷いた。 校門を抜け公園に辿り着くとブランコに座りながらスマホの画面を見てる海青がいた。 「お待たせ」 私がそういうと海青はニッと笑った。 「何で俺まで…」 次に口を開いたのは奏多だ。 今まで無言だったのに 「全然待ってないよ〜僕も今来た所だし!」 そして奏多くんを横目で見ながら 「僕が女の子2人口説いて猫カフェだなんて奏多くん嫉妬しそうだからさ〜」 「嫉妬しねぇわ!」 奏多くんがムッとした顔になった。 「ってか、猫カフェ行くとか言ってなかったじゃん。」 とスマホ見せながら彼は言った 何と彼のレインには (女子生徒を2人拐った。返して欲しければ公園へ来い) まるで脅迫。 「んだって、どんな顔して来るか気になってさぁ。真顔だったね」 と笑いながら言った。 「びっくりして先生に伝えようか悩んだし」 「あ、ごめんごめん。言わないでくれてありがとね?」 海青は先生という言葉に少しビビった様子で謝った。 「猫カフェって駅前の?」 芽依がそういうと海青は嬉しそうに頷き 「お気に入りの子が居るんだよね〜」と手を顔の前に組んで目をキラキラさせていた。 「ミミちゅわ〜ん☆」 海青が腰を落とし狂ったかのように小さめで耳が垂れ下がった黒猫をニパニパしながら呼んでいた。 「なぉーお♡」 それに応えるように黒猫 ミミは彼に寄って行った。 ヤバいくらい撫で回しているのにミミは嫌がらない。 「会いたかったよぉ〜昨日ぶりだね?」 「昨日も来てたのかよ」 奏多と芽依は堪らず突っ込みを入れた。 「海青くんお金ないんじゃなかったの?」 私がそういうと 「そんな事言ったっけ?」 と惚け顔になった。 「この子達の為なら幾らでも貢げるね、臓器売ってまで会いに行くわ」 すると海青は立ち上がり猫のおやつ売り場へ向かった。 「アイツ頭大丈夫かよ」と芽依がボソッと言った。 すると会計済ませた海青がおやつを持って戻って来た。 そして「食べる?」と猫のおやつを差し出してきた。 「食うか!!」 奏多と芽依が突っ込んだ。 が、その突っ込みをスルーし 「あぁ、可愛い。可愛いよぉ。ぬはぁあぁぁあ♡」 とお気に入りのミミちゃんをモフりおやつをあげていた。 海青はミミとイチャつくので忙しいみたいだから私達も猫と遊ぶ事に 奏多は座るだけでたくさんの猫が集まって来てそれをモフっていた。 それに比べて芽依は猫じゃらしを片手に猫に近づくが逃げて行った。 「来ねぇじゃねぇかよ!」 と怒りだす芽依に 「ヤンキーだからじゃね?」と揚げ足を取る奏多。 すると芽依は奏多の首に腕を回し 「ヤンキーじゃねぇぇぇ。」と閉めた 苦しそうにしてる奏多を横目に私は近くで丸くなってる猫を撫でた。
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