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光が差した日
休み明けで身体がダルい。
休みの間部屋に篭ってずっとゲームをしていただけあってこの訛り切った身体は歩くだけで息が上がってしまう。
私は学校へ向かういつもの電車に乗り込み一息付いた。
奏多が言っていた言葉を思い出した…
(アイツ学校来るぜ)
もしかしてと思い周りを見渡した。
やっぱり居ないか……ん?
アイマスクにマスクで顔を完全に覆ってる人がいた。制服は私の学校と同じではあるが明らかに車内で目立っていた。
怖いので関わらないように出来るだけ遠くに離れる事にした。
「芽衣おはよー」
「おはー」
ここまではいつも通りの朝だと思っていた。
「お、海青くんもおはよー」
え?っと思い振り返ったらドアの方でスクバを重そうに持ちながらゆっくり歩いてる海青がいた。
「おやすみなさい」
と応え近くの机に座り眠ってしまった。
そこ、海青の席じゃないんだけど
少し後に来た司くんがどうしようと海青を見つめていた。
司くんはメガネ姿の弱々しくて常にビクビクしてる子で毎日不良のグループにカツアゲされていた。
「おい、こらー海青。起きろ?」
「起きて!ここ違う席だよ。」
芽衣と一緒に呼びかけたがビクともしなかった。
そこへコーヒー牛乳を飲みながら登場した奏多が海青の頭にチョップを入れた。
「ぐはっ!!ここは!?」
「学校」
「トイレ!?」
「学校」
「奏多くんの腕の中!?!?」
「…学校」
「さっ…痛っ…」
「いいからさっさとあっちの席へ移れ」
奏多くんは海青くんの頭を軽く叩き、海青は言われるがまま席へ移った。
司くんは安堵の表情を浮かべ席に付いた。
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