通称、「強制結婚法」もしくは「恋愛処刑法」

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通称、「強制結婚法」もしくは「恋愛処刑法」

 この法律は、通称「強制結婚法」もしくは「自由恋愛禁止法」と呼ばれた。  時の須賀川官房長官は、この法律について、記者会見で以下のように説明した。 「恋愛を禁止し、満25歳を持って強制的に結婚することを定めたのは、日本人を存続させるためのやむを得ぬ時限的措置である。恋愛結婚を否定したのは、もはやそのような旧態依然とした方式には依存できぬためである。封建時代、旧帝国時代に抜群の機能を発揮した『お見合い』を現代によみがえらせるべきである」  この説明は、かつて存在した「お見合い」という素晴らしいシステムを知る者、もしくはその制度を研究していた知識人から拍手喝采を浴びた。  そのうえで、政府は違反者を「処刑する」という言葉に対する批判に釘を刺した。 「違反者を処刑するというのは、行き過ぎもしくは少子化対策に逆行するのではないかという指摘もあるが、抜け道をなくし、平等にこの義務を厳しく科すためである」と断言し、法律に対する一切の批判的言動を禁止し、厳しい姿勢で臨むことを強調した。
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