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「エリアス様もそうですけれど、スヴェン様が臣下だなんておかしいですわ。」
「お二方とも、あの方になにか能力で操られているのでなくて?」
「今回の国王は貴族でもなければ、異国の者だというではないですか。そんな方に命を捧げていいのですか?」
「どうかお辞めになって。」
スヴェンは服を掴む女性の手を優しく外しながら言った。
「あなた方の言いたいことはわかりますが、エリアスも、私も自らの意志で国王陛下の臣下になることを選んだのです。ルアンヌ女王陛下のことがあり、あなた方が心配されるのも尤もですが今回の女王陛下はそのようなことをするお方ではありません。」
「しかし、操られていなくとも騙されいる可能性はありますわ。」
「そうですわ。外面だけいいふりをして悪い女かもしれませんし、、、」
それはお前たちにも言える事だ。というのをスヴェンはぐっとこらえてため息をつく。
どうしたものかと顔をふと上げると、走る長身の男が視界に入った。
ナイトだ。
私の目線に気が付いたのかナイトはこちらを向くと少し考えるように立ち止まった。
が、すぐにわざとらしく肩をすくめると、そのまま走り去る。
「アイツっ、、、エリアス、行くぞ、」
止むをえまい。
少し強引に体を動かすと きゃあっ と周りの女性たちが甲高い声を上げた。
全く、女という生き物は何事にも大げさだ。
「待って下さい!そういうことだから本当にごめんよ。」
エリアスは女性達に謝りながらも私についてくる。
「スー兄さん、ありがとうございます。」
「そんなことよりエリアス、急ぐぞ。」
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