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「スヴェン様、エリアス様、やっと来られましたか!」
「すまない。」
「ライト様を見かけませんでしたか?」
今にも胸倉をつかんできそうな勢いでクラウディオは聞いてくる。
それに圧倒されながらもスヴェンとエリアスは答えた。
「知らないが、、、」
「み、見ていません、、、」
「なんてことでしょう」
クラウディオは片手を頭にやるとため息をついき、ぶつぶつとひとり言を始めた。
最悪、ライト様抜きで、、、とか言っているのが聞こえる。
スヴェンは、なに食わぬ顔で立っていた男の横に並ぶと肘で小突いて言った。
「お前、逃げたな?」
ナイトは口角を上げた。
「私も急いでましたし、、、できるなら助けに行きたかったのですが、私は婦女子にも嫌われていますから下手に近づかない方がいいかと思いまして。」
「お前がくればあの女たちは蜘蛛の子を蹴散らす勢いでどこかに行ったかもしれないがな。そうすれば私達は助かった。」
「なかなかヒドイ事をおっしゃいますね。」
そう言いながらナイトは笑った。
「そんなことより、スヴェン様、あなたが遅れそうになるなんて珍しいですね。」
「「様」なんて付けるな。そうだな、、、ケジメをつけた。」
「そうですか、、、だから頬が青いのですね。」
青くなってるのか!?
確かに父上に殴られはしたが、、、しまった。
「しかし、お前もひどい恰好だな。襟に血がついているぞ。」
「本当ですか?困りましたね。まぁよくみればエリアスもなかなか、、、」
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