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空海「すまない!待たせたな!この子だ!」
少し待っていると委員長が
後ろに誰か連れて戻ってきた。
委員長の後ろから恥ずかしそうに出てくるそいつの顔には見覚えがあった。
自分の事で精一杯ですっかり忘れていたが
先程助けた子だった。
無事でなによりだわ…後忘れててごめん…。
連巳「あっあの…先程は助けて頂きありがとうございます!僕…一年B組の連巳 小夏(れんみ こなつ)って言います!本当にありがとうございました!!」
連巳はしきりに頭を下げてお礼を言ってくると俺の手を握って「僕ずっとあなたに付いて行きます」と言ってきた。
「え?」
連巳「助けていただいた恩は必ず返します!!だからあなたの側にいさせてください!」
「いや、俺そんな大それたことしてないからお礼だけで順分なんだが…」
連巳「いえ!そんな訳には…行きません!僕に何でも言ってください!!」
「いや…」
あまりの勢いに困り果て横に座っている、菅原の方をチラッと見て助け舟を出してもらおうとしたが
ニヤニヤと叫ぶのを我慢するのに必死なのか俯きながら口元を抑えてこちらに気づく気配がない。
こいつ楽しんでやがる。
連巳「………迷惑…ですか?」
俺が何も言わないでいると
連巳は上目遣いでこちらを見上げてきた。
「……いや…あの割と迷惑………では…ないような……」
いや迷惑だが…目を潤ませながらそんな事言われたら、口を濁すしかなくなるではないか…。
連巳「本当ですか?じゃあ僕!貴方についていきますね!」
「あ…いや…あの…」
連巳「駄目ですか?」
「いや…そういうわけではないけれどぉ…」
連巳「では!よろしくお願いします!」
「…はい…」
菅原「ふっイ゛ッ」
「………」
横で笑いを堪えている菅原にこれほどまでにないってくらい殺意が湧いたので脇腹に肘鉄をした。
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