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そんな様子に店のスタッフたちはクスリと鼻を鳴らし、互いの肩を突付き合ったりしていた。
「くはっ、始まったぜ。紫月さんも好きだよなぁ? あんな若い客捕まえてよくやるってーか」
「つーか見習わなきゃだろ? それにしても毎回すげえよな? どうやったらあんな声上げさせることが出来んだろ?」
「あの人テクニシャンだから。ちょっと触るだけでイカせちまうらしいぜ?」
「うっそ、マジでー? 今度テク教えてもらうかなー俺」
逸り調子のそんな会話の後はニヤケまじりで再び肩を突付き合い、それぞれの持ち分へと散っていく。そんな光景が珍しくもなかった。
当の紫月はそんな噂をされているのを知ってか知らずか、部屋の中で最高潮に高まった倫周を更なる高みへといざなうが如く欲情に没頭中だ。
「倫ちゃん、すげえぜ……こんなに濡れてる。ほら、倫ちゃんの可愛いトコが――さ。俺の指に絡み付いて離れねえぜ?」
「ああ……んっ……嫌ぁ……紫月……そんな意地悪なこと言う……ぅあっ……!」
「ん、ごめんな。意地悪してんじゃねえんだ。ただ倫ちゃんがすっげえ可愛いから、つい……さ?」
「あ……っ……紫っ……紫月ぃー……」
「どうした? もう欲しいの? 倫ちゃんの可愛いとこ、ヒクヒクいってるもんな?」
「んっ……んっ……欲しっ…………」
「そう? 欲しい? じゃあコレと俺の、どっちが欲しいか言って?」
逸った吐息が耳元を這いずり回る――
「待っ……紫月、待っ……!」
これでもかというくらいに、次から次へと流麗な指先が撫でていく――
倫周は思わず仰け反った。
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