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1反 伝説を育みし者
人は誰しも運命を背負っている。しかし残念ながら、その運命の糸は神にしか見えないとのことだ。
だから君にも自分の運命を信じ、あるいは疑い、勇気ある一歩を踏み出してほしい。君が勇者になれるかどうかは、神様しか知りえないのだから。
今僕はこの言葉を胸に、自分の運命を確かめる一歩を踏み出そうとしていた。
王立魔術学院。
国中から魔法の素質ある若者を集め、国の命運を託す偉大な魔法使いを育てている機関。
あるいは、そんな偉大なる一握りの人たちを支えるがために、新たなる魔法、魔術、魔道具の開発に勤しむ場所である……らしい。たぶん。
国の最も重要な施設の一つだからか、学院の中でどんなことが行われているのか僕ら平民のところまでは情報がさっぱり降りてこない。
知られていることはたった一つ。
『入学条件は魔法の素質がある者』
今日この日この時、僕は新たな運命を手繰り寄せるため、この学院の門戸を叩く。
さあ、後世に名を遺す『偉大なる大魔導士アグリ』としての最初の試練だ!
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