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「彩星、一緒に頑張ろうな。俺もそばにいるよ」
みんなが赤ちゃんの誕生を待っている。
人はこうして誰かの支えを受けながら家族の元にやってくるのだと思うと感慨深くなり泣けてきそうだった。
そして、押し寄せる最後の痛み。
「お腹の方見て精一杯いきんでー! もうすぐよー!」
次の瞬間、今までお腹にあった温かい命が私の中から出ていくのがわかった。
抱えていた重みがスーっと引けていくような感覚。
それを伝えるかのように分娩室には産声が上がった。
弱い声だけれど、確かに赤ちゃんの声。
「おめでとうございます! 頑張りましたね!」
まだ夢の中にいるみたい。
赤ちゃんは近くで先生に全身状態を診てもらっているから視界には映らない。
「彩星ありがとう」
分娩台で息を整える私に爽は"ありがとう"と言ってくれた。
「お疲れ」とか「おめでとう」より先に「ありがとう」を言ってくれるところが爽らしい。
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