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次第に痛みも強くなり爽の話もまともに聞けないくらいになってきた。
強い張りが来るたびにさすってくれる。
爽がいなかったら死んでたかもしれないくらいの痛み。
やっぱり爽がいないと生きていけないな。
「次の痛みが引いたら分娩室に移動しましょうか」
子宮口もだいぶ開き柔らかくなってきたらしくいよいよ分娩室にへ移動することになった。
痛みが引けたタイミングで車椅子に移乗し分娩室へ。
ここからが勝負でこのまま子宮口が全開大しなかったり赤ちゃんが苦しくなって心音が下がれば帝王切開になると聞いている。
でも、赤ちゃんが無事に生まれるなら何だっていい。
「呉宮さん、もう少しで赤ちゃんに会えますからね。頑張りましょう」
痛みの間隔が狭すぎて返事すらできなくなっていた。
それでも爽は手をぎゅっと握りながら声を掛けて続けてくれて――。
「次の痛みがきたら思いきりいきんでください!」
「ううっ、は、い」
先生と助産師さんが赤ちゃんの回旋を見守っている。
爽も私がいきみやすいよう頭側に回り後頭部を支えてくれた。
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