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「私はカウンターでも良かったよ?」
「彩星お嬢様との久しぶりのお時間ですので、2人きりになりたかった。という我儘は聴いていただけますでしょうか?」
「っ、許可します」
「お心遣い痛み入ります」
しかし、よくこうも執事モードに切り替えられるなと関心してしまう。
違うところと言えば、仕事終わりで当然だけれど右目の下に泣きぼくろが描かれていないことだろうか。
「そういえば、呉宮はどうして泣きぼくろを描いているの?」
「聞きたいですか?」
「聞けるなら」
「では、長くなりますのでマスターが退室されたらお
お伝え致します」
それからマスターは温かい珈琲と紅茶を乗せたソーサーに四角いチョコレートを添えて運んできてくれた。
「爽君と彩星さんが一緒なのはこれで2回目だね」
「は、はい」
「爽君、会社でモテるんじゃないかい?」
「まあ、そうですね」
「爽君はこれでもね……」
マスターが何かを言い掛けた時、呉宮さんが邪魔をするかのように咳払いをした。
それが何かの合図だったのかマスターは含み笑いをしながら退室されてしまう。
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