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「ボーナス入るまでに気持ち固めて依頼するって約束したよな? 社会人なのに約束破るんだ?」
「ず、ずるいです!」
「こうでもしないと言うこと聞かないだろ?」
人差し指で私の額をつつきながら呉宮さんは唇を尖らせる。
子どもみたいな扱いをされて良い気分はしない。
依頼はしたけれど、気持ちはまだ固まっていない。
寸止めキスゲームを続けているチャラさもあるし、踏み込んで良い相手なのか分からなくなってきている。
「イヴは平日ですし仕事終わりになってしまいます」
「だから?」
「呉宮さんだって綺麗な女の人がいるお店に行くんじゃないですか?」
「俺ああいう化粧で着飾った女嫌いだから」
「それ全女性を敵に回しますよ?」
「田中さんはナチュラルメイクだし好きだな」
またそういうことを言う。
遠回しに化粧映えしない顔だと言われている気がして頬を膨らませた。
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