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永久指名はあなただけ
あれから呉宮さんは社内で1度も私に接触してこなくなった。
相変わらず寸止めキスゲームはしているようだけれど。
「ねぇ潤子、気になる人が人気者だったら身を引く?」
「え、もしかして呉宮さんのこと言ってる?」
「シーッ!」
「マジなの。どうしたの?」
「それは此所では言えないんだけど」
食堂でいつものように潤子とランチをしながらそんな相談をした。
潤子なら的確なアドバイスを貰えると思ったのだけれど、そう簡単にはいかない。
「あれだけ人気者だったら浮気どころじゃ済まないんじゃないの?」
「うっ。呉宮さんに限ってそんなことはないと思うけど」
「そういうのが恋は盲目って言うんだから」
「うっ」
「呉宮さんを悪く言うわけじゃないけどさ、彩星はそうでなくても酷いこと彼氏にされてんだから自分大事にしなね」
結果、惨敗。
何も言えずにアドバイスも貰えないまま昼休みを終えてしまった。
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