8人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
彼女と別れた。
ずっと一緒に居たかったけど、わたしはもう長くない…。
だからせめて彼女にだけは、幸せになってほしい。
わたしは、彼女を好きだと言えなかった。
あんなに楽しかった日々ですら、
まるで夢のように消えるのだ。
さっきまで晴れていた空からは、
大粒の雨が降り注いだ。
まるでわたしを責めたてるかのように、辺り一面を覆いつくした。
傘は、
わたしの顔を隠すのには、都合がよかった。
最後に言った、彼女への愛の言葉は雨音で届かなかっただろうが、
きっとそれでいいのだ。彼女の止まぬ哀怨の声も、
聞こえなくてよかったのかもしれない…。
最初のコメントを投稿しよう!