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彼にフラれた。
ずっと付き合っていると思っていた。
だからどこにでも一緒に行ったし、身体も預けた。
でも、彼は一度も好きだと言ってくれなかった。
あんなに楽しかった日々ですら、
まるで嘘のようだ。
さっきまで晴れていた空からは、
大粒の雨が降り注いだ。
それでもわたしは傘をさすこともなく立ち尽くしていた。
雨は、
わたしの涙を隠すのには、都合がよかった。
最後に口にしていた彼の声は雨音でよく聴き取れなかったが、
きっと別れの言葉だったのだろう。
聞こえなくてよかったのかもしれない…。
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