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気が付いたら、わたしは仰向けのまま、明け方の白い空を眺めていました。どうしてか分かんないですが、体が動かず声も出ないんです。
犬の散歩をしてるおじさんが、わたしに気づいて駆け寄ります。スマホでどこかに電話していました。スグにパトカーとレスキュー車がサイレンを響かせ、走ってきました。父方の義理のおじさん、地元の遺文消防署勤めですが、いません。非番かな?
お巡りさんがわたしの財布にあった、マイナンバーカードを手にしてます。無線で、話しているのが聞こえました。
「持っていたマイナンバーカードに寄れば、苗字は漢字表記不明、カタカナです。萌さん。”も”は漢字の……、21××年6月10日生まれ、照会願います」
視界に白衣が映ります。開業医。地元で感じが悪いことで有名な、オッサン。わたしを乱暴に診ています。
「お亡くなりになってます」
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