37人が本棚に入れています
本棚に追加
『第1レースは脱出である』
そういうと【競技説明】という文字が浮かんだ。
ウマ蔵が部屋内に閉じ込められている映像が宙に映される。
まさしくそれは、今俺がおかれている状況そのものだった。
ウマ蔵はどうやら室内を探索している。そして、引き出しから何やら紙切れを見つけたらしい。
何が書かれているのか分からないがウマ蔵はそれを確認した後、移動を開始した。
ウマ蔵は錠のある鉄格子の前にやってきた。これは先程見た俺の家にもあった。
それを錠に当てはめロックを解除した。
ウマ蔵の動き一つ一つが優雅で気品すら感じる。全く慌てる様子すらなく淡々とクリアしてしまった。
こんな説明…必要なのか?
そう疑問に感じていると何とウマ蔵はロックを解除した後、カップをどこからか取り出しティータイムを始めてしまった。
「いやいや、後にしろよ」
ぼそっとつぶやくように言ってしまった俺の声など意に介さず、ティータイムを終えるとそのまま扉を開く。
そこには【脱出成功】の文字が浮かんだ。
『以上で競技説明を終了する』
最初のコメントを投稿しよう!