第1レース・2

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とりあえず、部屋に戻って来た。 何からするべきか。まだこれが現実なのかさえ、にわかには信じがたい。 おもむろに開けたクローゼット。そこにあれは現実だったと深く認識させるように俺のものではないクリアボックスが入っていた。一辺が20cm角程の正方形。 同じように今度は、南京錠。この小さい鍵を部屋中を探すのか。先が思いやられるな。 しかし、中には紙切れ。折り込まれて入っている。厳重な様子からパスワードを解くのに重要なヒント、もしくは答えが入っているはずだ。 一旦、箱を机の上に置いて他を探索しようとするとそれはふと目に入った。 ん?えっ…これは。どういうことだ? 先程、【遷移完了】とだけ映し出されていた俺のスマホには【29:08】と赤字で表示されていた。 【29:07】…… 【29:06】…… やばいぞこれ。どう見てもタイマーじゃないか。 一気に状況が変わった。時間がない。急がないと!
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