第1レース・2

8/20
前へ
/172ページ
次へ
それは、水だった。 立ち上がろうとベッドから足を下ろすと膝下くらいまで浸かった。しかもぬるい水温。ぬるめのお風呂くらいの温度か。この温度は何の優しさだよ。意味がわからない。 部屋が水で満たされた時を想像する。 もがき苦しみ、大量の水を飲み窒息。悪寒が走る。最悪だ…。 さっきまでは無かったのに一体どこからだ? そのほかの部屋を見たが降り注ぐような場所など無かった。しかし、今は膝くらいまで水位が上がっている。 下からか…穴もなければ塞ぐのも無理だな。 くそっ。出るしかないんだ。
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加