種人ダービー2

第１レース

そして、今日が出会ったその日。２人で記念日の１つにして大切にしている。

今日俺は茉莉奈に決意を届けようとしていた。

いざとなると、勇気が出ずに臆病になってしまうが心を決めてプロポーズしよう。そう誓ったんだ。

引き出しを開いてリングの入った箱を取り出したその時。部屋に置いてあったスマホから大音量の警報音が鳴り響く。

【種人法強制執行】
未成年及び女性を除く肉体的に種付行為可能な男性皆様が対象となります。

これより、強制的に遷移を行います。めまい等が生じますので完了までしばらくお待ち下さい。

【遷移中……】

「何だこれ」

有無も言わさず流れる文章に動揺する。慌てて茉莉奈の方を向く。茉莉奈もまた俺の名を呼び駆けてきて俺にしがみつく。しかし、彼女の温もりや彼女の声が、だんだん遠のいていくのを感じる。

そして、意識が保てなくなってしまった。