第1レース

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ははっ。何だこれ。突然めまいがして気付いたときには今の状況。あまりに非現実的な出来事に理解が追いつかない。 「もういい加減にしてくれ。茉莉奈、どこいったんだ?」 家から出ようとキッチンやトイレ等がある玄関へ続く廊下の扉を開くとそこにあるものに目を疑った。 玄関の扉の前に明らかに違和感のある鉄格子が行く手を阻んでいた。 扉のようになっている部分はチェーンでぐるぐる巻にされて開かないようになっていた。 無理に引きちぎろうとしてもガシャンガシャンと音を立てるがビクともしない。 どうやら部屋から出るにはこのチェーンを繋ぎ止めている錠の4ケタの数字のパスコードが必要になるようだ。 「何だよこれ……」 イタズラでは済まない状況にだんだんと心が恐怖に支配されてきた。するとそんな中、言葉が続く。 『種人法の執行を理解できない者の為に、この映像を見てもらう。先立って今年の新成人に種人法を執行した際のものである』 「えっ…嘘だろ…」 そこには大きな会場で逃げ惑う人々。スーツ姿の若い男の子達が馬のお面をかぶった巨体に追いかけ回され何やら注射器のようなものを首に刺されている。
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